2015年7月2日木曜日

「 家族 」

AKIRAさんのアルバム全曲解説です。

歌詞はこちらから。ご注文はこちらから。



  1. 家族
  2. Walking in the rain
  3. たったひとつの命
  4. 背中
  5. 幸せのアリカ
  6. 愛のカタチ
  7. Dancing BUDDHA
  8. シャンティー
  9. Life is beautiful
  10. 今日は死ぬのにもってこいの日だ




1. 家族

 われわれの時代が失ったものをとりもどすときがきた。身近すぎて目を背けてきた家族の愛に気づくには勇気がいる。大切な絆を断ち切ったのも君なら、もう一度結びなおすことができるも君しかいない。「ありがとう」と恥ずかしくて言えないのなら、この歌を聞かせてあげよう。きっと親も君と同じ気持ちなんだ。君を愛したくて、君から愛されたくて、たまらないんだよ。この歌を聴けば君が変わる、家族が変わる、世界が変わる、時代が変わる。



2. Walking in the rain

 どしゃ降りの雨に打たれながら、書いた歌。「世界中の悲しみなんて僕には背負えないから、ただ君のまつげがぬれないように祈る」。もし世界を変えたいのなら、革命や政治運動なんかやらなくていい。となりの人に笑顔をむける。それこそが世界を変える唯一の方法だ。地球を救うより、愛する人を救え!



3. たったひとつの命

 亡くなった父にむけて書いた歌だが、去っていった恋人に贈る歌でもある。大切な人を失ってはじめて、人は本当の愛に気づくんだ。どんな無様な毎日を送っていようと、君のままでいい。何度生まれ変わろうと、君が君であるのは今回限りだ。世界でたったひとつのかけがいのない命なんだ。



4. 背中

 ニューヨークで父の急死を知ったとき、帰国の飛行機のなかで書いた詩(「神の肉テオナナカトル」P276)がもとになっている。親との葛藤は誰しもが抱えているだろう。しかしその葛藤から学ぶために、オレたちは自分の両親を選んで生まれてきたんだ。親が子を選ぶのではなく、子が親を選ぶ。親を許すことは、とりもなおさず自分を許すことだから。



5. 幸せのアリカ

 幸せの青い鳥を求めて、オレは70カ国を旅してきた。しかし青い鳥はずっとオレの胸の中にいたことに気づいたとき、この歌が降ってきた。「幸せになる」のではなく、「幸せだったことに気づく」とき、君は本当の君自身に出会うだろう。青い鳥の名は「愛」、または「神様」、「ハイヤーセルフ」とか、「グレーターセルフ」と呼んでもいい。とにかくずっと君だけを見守り、導いてきたもうひとりの君自身だ。

「幸せのアリカ」という曲は軽快なミディアムテンポで、清涼飲料水のCMとかにつかってもいいくらいさわやかなメロディーだ。皆の衆への九里済ますプレゼントとして、この曲の創生秘話をご紹介しよう。
早稲野アリカは美貌と才能に恵まれたが、なぜか幸せには恵まれなかった。ある日東武日光線のガード下で壁打ちテニスをしていたアリカは踏み出したスニーカーの下に蟻を発見し、踏まないようにステップをすらしたとたん、左足首を捻挫してしまった。
翌日から不思議なことが起こる。
玄関を開けると、蟻の行列が芋虫を運んでくるではないか。
「蟻の恩返しなんかいらねーよ、人間は芋虫なんか食わないんだから。ったくあんたのおかげで足をくじいちゃったし、あたしはつくづく幸せに見放されてるんだわ」
アリカは蟻の置いていった気持ち悪い芋虫を割り箸でつまんで捨てようとしたが、あんまり気持ち悪い文様なんで図鑑やネットで調べてみた。しかしどこにもこんな芋虫は載ってなかった。
ので、写真に撮って昆虫マニアのウエブサイトに送ったところ、とんでもない反響がきた。
「これは1892年に東南アジアで発見されて以来、幻の幼虫といわれるシェンクワン・アンパバーンにまちがいありません。マニアの間では最高価格で取引されるでしょう」
アンパバーンだかアンパンマンだか知らないけど、そんなに言わせたいのなら言ってあげましょう。
アリカは玄関先で一言を待っていた蟻にムカつきながら叫んだ。
「おまえは……幸せの蟻か!」
日本の昆虫マニアよりもさらに高値をつけたのが、アラブの石油王シャー・ザハーン・ムハマド氏である。アリカはあまりの高額にビビり、郵送するのをやめた。自分でシェンクワン・アンパバーンを小型金庫に入れ、直接アラブへと飛んだのである。
なんとアリカの美貌に一目ぼれしたシャー・ザハーンは妻と別れ、アリカを妻に娶った。
駄菓子菓子、幸せな新婚生活もつかの間、シャー・ザハーンはバイアグラの飲みすぎで急逝してしまう。喪に服した国民は王の愛した妻を王座につけた。ついにアリカは「シャー」の称号を手に入れたのである。
シャー・ザハーンだか謝辞阿片だか知らないけど、そんなに言わせたいのなら言ってあげましょう。
アリカは王宮広場で一言を待っていた国民にまたもやムカつきながら叫んだ。
「われこそは……シャー早稲野アリカ!」

ああこんなにさわやかな曲なのに、「シャー早稲野アリカ」が頭からはなれなくなったらどうしよう。ライブで聴くときにはこのストーリーは完全に忘れるようになっ。

6. 愛のカタチ

 大切なものはカタチがない。風や光、やさしさや勇気、なかでももっとも大切な愛も見えない。しかしじつは愛のカタチがあるんです。それは……君だ。すべての命が愛のカタチだと気づいたとき、世界はまばゆいほどの輝きをもって立ち現れてくる。



7. Dancing BUDDHA

 仏教史3000年をひっくり返すほど危険な歌であり、じつはブッダ本人が伝えたかった本質はこの歌に凝縮されている。歌詞を読めば読むほど、その奥深さに引きずり込まれるだろう。君もブッダであり、時代を愛によって産み落とすのも君なんだ。



8. シャンティー

 ヒンドゥー語で「シャンティー」とは、平和なとか、静かな意味。死後の世界を発見したエリザベス・キューブラー・ロス博士(「死ぬ瞬間」)が末期がん患者のために開いたホスピスが「シャンティー・ニラヤ」(安らかな家)という。一見ラブソングにも聞こえるが、ぼくらが最後に帰る家はあの世の光の世界である。



9. 絆

 身近な人が亡くなるのは大きな悲しみである。しかし死者の本当に伝えたかったメッセージをいつまでも悲しみに酔って聞き逃してはならない。彼らが命までかけて教えてくれたものは、「分かち合うこと、助け合うこと、愛し合うこと」だから。家族や友人を亡くした人のためにつくった歌であり、この歌を聴いてたくさんの人が悲しみから抜け出すのを見てきた。だいじょうぶ、死者はいつでもそばにいて愛する生者を守ってくれる。



10. Life is beautiful

 母は足を引きずって歩き、父の暴力に別居し、祖父を介護し、ガンが胃、脳、肺に転移して死んだ。苦労の耐えない人生だったが、「それでも生きることは美しいんだよ、思い通りにならないからこそ、この世界は生きるに値するんだよ」オレが母から教わった究極の学びがこの歌だ。



11. 今日は死ぬのにもってこいの日だ

 アメリカに住んだ5年間でインディアンのところばかりいっていた。さまざまな長老たちがいろんな知恵を授けてくれた。今度はその知恵をオレがみんなと分かち合う番だ。「おまえが生まれるとき、世界は笑い、おまえは泣く。おまえが死ぬとき、世界は泣き、おまえは笑う」。そうしてオレたちはくりかえし生まれ変わり、もがき苦しみながらも命の意味を学んでいく。


2008年6月リリース。11曲。2500円

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